戦の国の
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「、んだてめェ…!」
政宗は刀を抜き、兎に切り掛かった。
りんが制止する声も政宗の耳には入りはしない。
だが、政宗の刀が兎に食い込むことはなかった。
兎は瞬時にその場から姿を消したからだ。
政宗の刀は空を切っただけだった。
「、大丈夫か?りん」
政宗は刀を鞘に仕舞い、りんに近付いた。
りんの目からは止まることなく、涙が流れている。
時折、嗚咽のような声も聞こえた。
「…、りん?」
「どうしよう、」
「What?」
政宗がりんの顔を覗きこんだ。
りんの目には、絶望の色が広がっていた。
「あたし、一人ぼっちになっちゃった」
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