戦の国の
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「政宗様、」
政宗の執務室に政宗と小十郎がいた。
政宗は机に向かってはいるが、手に筆はない。
「なんだ、執務ならしねェぞ」
「して下さい、まぁ俺がしたいのは違う話ですが」
「……りん、か?」
政宗は後ろにいた小十郎の方を向く。
小十郎は小さく頷き、「どうなさるつもりですか」と続けた。
政宗は小さく息をつくと、窓の外を見た。
姿は見えないが、楽しそうなりんと成実の声、其を窘める綱元の声が聞こえる。
「あいつは、暫く此処におく」
「何故、ですか?」
小十郎は何かを探る様な目で政宗を見る。
まるで、「嘘をついても無駄ですぞ」と言うかのように。
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