オリジナル
□月の戯言
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あの頃、本当は君が好きだったよ
なんて言って あいつは俺から目を逸らした
寂しげな目と微かに微笑むその唇に
俺は目眩さえ覚えて
何も言わずに二人して立ち尽くした
あの頃 俺を目で追ったあいつと
頑なに他人を寄せ付けなかった俺との
すれ違い続けた幼稚な恋は
消化されることなく昇華してしまった
そんな二人の秘め事を
ある夜のいかれた月だけが見ている
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