戦国×現代novel

□一輪の花4
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奥州・越後国境付近。

「上杉はどうだ?もう妻女山まで行ったか?」

政宗がそう忍に聞いた。

「はい、今のところ、上杉の気配は感じられません」

「・・・Bingo!今春日山城はガラ空きってことだ。一気に攻めるぜ!」

政宗はそう言った後、ふと何かを思い出したかのように「あ」と呟いた。

「おい、真田」

「はい・・・?って、わっ!」

幸村が政宗の呼びかけに返事をした途端、幸村の目の前に何かが投げられていた。

「何でござるか?これ・・・」

「籠手だ。つけとけ」

「・・・?どうやってつけるのでござるか・・・?」


一輪の花4


「おい、小十郎」

「・・・はっ」

政宗が小十郎を呼ぶと、小十郎を政宗のいいたいことを察し、馬から降りて幸村の方に来た。

「な、何をなされるのだっ!?」

「籠手つけるだけだ。大人しくしてな」

そういって、小十郎は慣れた手つきで籠手を着けていく。
幸村はそれを、じっと眺めていた。

「ほら、できたぞ」

「か、かたじけない。ありがとうございまする」

幸村は馬の上に乗りながら自分の馬の方に戻っていく小十郎に、深々と礼をした。

「・・・もういいか?」

「はい。お時間をお掛けしてしまって、申し訳ございません」

「No Problem!じゃあ行くぜてめーら!Let's Party!!」

「YEAH――――!!!」

そういって、伊達軍は越後に踏み入った。


「・・・来た。あれが伊達軍ねー」

そのころ、武田の忍・猿飛佐助は騎馬隊を見て呟いた。

「オレ様の気配に気づかないなんて、まだまだ青いねえ、伊達軍も」

どんどん向かってくる伊達軍は、まるで止まることを知らない。

「オレ様別に天下なんてどうでもいいけど、大将の命とあっちゃ仕方ない!いっちょ頑張りますかっと!」
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