□蒼い竜と紅い虎1
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新学期が始まった。
今年こそはまあ一応真面目に学校に来てやろうと、政宗はやはり遅刻しながら学校に来た。

「…おい、小十郎」

「何でございましょうか」

「帰っていいか?」

「駄目です。ちゃんと学習してきてください」

「お前、自分は畑の仕事で逃げられるからいいと思ってるだろ」

「…この小十郎、政宗様のために死ぬ覚悟はとうに出来ておりますが…。
さすがに今回は無理なようです」

「…オレの女嫌いはお前から受け継いだみてえだな」

「そんな受け継がなくていいところを…」

政宗と小十郎は意を決して足を踏み入れた。
しかし…。

「「伊達くぅぅぅん!!!!」」

「ぎゃああああ!!!」

政宗と小十郎は、玄関に入るなり全力疾走で走り出した。



蒼い竜と紅い虎1



「はあ…はあ…」

「どうやっているんですか、政宗様…」

「何でオレに聞くんだよ…。こっちが訳わかんねえよ…」

政宗と小十郎は肩で息をしながら、教室へと向かった。
そして、教室に入った瞬間。

「…少なくね…?」

政宗は思わず呟いた。
そこにいたのは、幸村、佐助、元親、慶次、半兵衛だけだったのだ。

「ま、政宗殿!」

幸村は即座に立ち上がって、政宗に近づく。
政宗は何か嫌な予感がして、一歩後ずさる。

「…某は平気でござる!」

すると、幸村は少し、むすっとした顔で言った。
政宗はそれに少し安心し、緊張感を抜く。


「…っつか、どうなってんだよ、これ…」

政宗が佐助に聞く。

「そんなのオレ様が聞きたいってば。皆来た途端『ザビー教に入りませんか?』って勧誘してきたんだから」

「ザビー教?聞いたことねえぞ。ってかあの英語教師か?」

「そうみたい」
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