戦国×現代novel

□一輪の花1
3ページ/8ページ

幸村は、その青年の顔を見て驚いた。
その青年は整った容姿だった。
右目にはなぜか眼帯をしていたが、それすらも彼の魅力と化しているようだった。

しかし、それすらも超えるほどに。

(怖い・・・・・・!!)

今までどんな相手でも屈することはなかった。
たとえ年上のガラの悪い先輩でも、凶悪犯罪者でも、屈することはなかった。
しかし、この青年と目が合っただけで、体が全く動かない。声も出ない。汗ばかりが流れた。


「おい、てめー。どっから出てきた」

青年が幸村に問い詰める。

「・・・・・・っ!えと・・・その・・・川から・・・」

「River?だったら何で空から落ちてくるんだよ」

「オ、オレにも何が何だか・・・」

「・・・どっかの忍か?オレを暗殺しろって命令されてきたのか?」

「いや、だから・・・」

パキッ・・・。

幸村の近くにあった木が真っ二つに割れた。

「・・・・・・え」

幸村は驚きのあまり、なんとも情けない声を出してしまった。

「・・・Answer.てめーはどこの国のモンだ」

その青年の目が、異常に怖い。
っていうか、木が割れましたけど。
っていうか、え。真剣?あれ、本物?
銃刀法違反で逮捕されるって。

「答えねーなら、斬るぞ」

「え・・・ちょ、」

「心配すんな・・・楽に殺してやるよ」

青年が、幸村に向かって刀を振りかざした、そのとき。


幸村の目の前に誰かが立ち、庇った。
佐助が来てくれたのだろうか。
しかし、その男もまた、幸村の全くしらない男だった。

「あの・・・ありがとうございま・・・」

幸村がお礼を言おうとしたとき。

「・・・何だ、小十郎」

「刀をお収めください、政宗様」

「・・・刀仕舞う理由がねえな」

どうやらその青年は政宗と言い、幸村を庇った男は小十郎と言うらしい。

「武器も持っていない者を殺すおつもりか」

「隠し持ってるかもしれねえだろ」

「この者が政宗様のお命を狙ったら、この小十郎が真っ先に討ち取りますので、どうか今は」

小十郎という男の説得をようやく聞き入れ、刀を収める。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ