戦国×現代novel
□一輪の花1
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「意味わかんねえ・・・」
政宗も頭を掻き毟って呟いた。
「あの、オレは!違う世界からきたみたいで・・・!」
「違う世界ィ?」
政宗が聞きなおす。
「あの、オレは・・・この世界から400年後くらいの日本からここに・・・」
「400年後だと?そんな先のとこからどうやってこんなトコに来たっつーんだよ」
「それが、川にはまって・・・」
「川に嵌るって・・・アンタどんだけドジなんだ!」
「仕方ないでござる!オレだって故意に嵌った訳では・・・!!」
「故意に嵌ってねえからドジなんだよ!!」
「政宗様!!」
だんだんヒートアップしていく口喧嘩に釘を刺したのは、小十郎だった。
「・・・少々熱くなりすぎでございます、政宗様。そうやってすぐに血の気が盛んになるところが貴方様の弱点だと、言っているでしょう」
「・・・OH、悪かった」
政宗がすまなさそうに呟く。
「筆頭!筆頭!!」
そのとき、政宗の扉の向こうから声が聞こえた。
「・・・何だ」
「大内が・・・こちらに攻めてきやした!!」
「大内がァ?」
「へい!何でも畠山と手を組んだそうで・・・」
「畠山、ねえ・・・」
「政宗様、どうなされますか」
小十郎も気が張った様子で政宗を見た。
政宗は扉を開いた。扉の前には、沢山の兵士と思われる男たちが座って構えていた。
「HA!てめーら、準備しな!Partyが来たぜ!!!」
政宗のその声に、兵士たちは盛り上がる。
「待ってましたぁ!!」
「ついていきやす筆頭!!」
そう言って、各個準備に取り掛かる。
「・・・ッつー訳だ。事情聴取は後にしてやる」
政宗が幸村を見てそう言った。
「小十郎!こいつも戦場に連れてってやんな」
「・・・はっ!しかし、何故・・・」
「こいつにこの世界を見せてやる。そんで思い知れ。この世の恐ろしさをな」
「承知いたしました。それでは、失礼します」
「ああ」
小十郎が幸村を連れて、部屋を出る。