戦国×現代novel
□一輪の花3
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「!!」
政宗はふと天井裏を睨みつけた。
「な・・・何でござるか?如何なされた?」
「Shut Up!少し黙んな」
静かな声で政宗に制される。
政宗は未だにずっと天井を睨みつけており、懐から短刀を取り出した。
「そこか!」
政宗が短刀を投げた。
「ぐあぁっ!」
という小さな悲鳴が聞こえ、そして天井裏から政宗の私室に落ちてきた。
「ひ、人っ!!?」
「・・・忍か。まだ生きてんな」
政宗は近くに置いてあった刀を手に取り、その忍の体を踏みつけて、首筋に刀を近づけた。
「Answer.何しにここにきやがった」
「・・・・・・」
忍は何も言わない。
「じゃあどこの忍の奴だ」
「・・・・・・」
質問を変えても、何も言わない。
「・・・Shit」
政宗は舌打ちをして、その忍の心臓を刺した。
「だ、伊達殿!一体何を・・・!!」
「・・・忍ってのはその主の命に忠実に従う奴でな。その主の命には絶対服従。命懸けてもその任を遂行するんだ。
おそらく、コイツは主に何が何でも吐くなと言われてたんだろ。何も言わねえ奴を生かしておくほどオレは寛大じゃねえ。
それに、死体からでも情報は出てくる」
政宗は、言葉の通り、その忍の身体を物色し始めた。
「・・・あった。こいつ、武田の忍か」
政宗はその忍が持っていた家紋を見つけた。
「四つ割菱・・・。武田の家紋だ」
政宗はそう言って幸村にそれを見せた。
「ってことは、コイツは恐らくあの真田忍隊の者だな・・・」
「真田忍隊?そんなに有名なものでござるのか?」
幸村は政宗に聞いた。
「ああ。もともと武田は戦国最強と言われる武田騎馬隊があるし、そして忍も選りすぐりの奴が山ほどいるって噂だ」
「それほどまでに・・・」
「それに、その忍隊の長がもうそれはデキる奴らしい。
オレも名前は聞いたことはねえが、戦忍だが、潜入捜査も出来るし、暗殺も出来るらしい」
「かような素晴らしい武人が・・・」
「武人じゃねえけどな。ウチの軍にもそんな優れた忍はいねえよ。そいつがやっかいなんだ」