戦国×現代novel

□一輪の花3
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その数日後。
武田の調査に放っていた忍が帰ってきた。

「筆頭」

「お、もう帰ってきたか。武田はどうだった?」

政宗は、そのとき道場で剣の稽古をしていたが、特に止めるでもなく、続けながら忍に話しかけた。

「はっ。近々、武田と上杉が戦をするようです」

「武田と上杉ィ?またかよ・・・。懲りねえな」

「どうやら川中島で行われるようですね」

「Hum・・・」

政宗はしばらく考え込んで、何か思いついたかと言うように手をポン、と叩いた。

「・・・武田と上杉を両方攻める・・・」

「は?」

「いや、お前のWorkはここまでだ。疲れたろ、ゆっくり休め」

「はっ」

そう言って、忍はどこかへ消えていった。

政宗はその後、道場を出た。


「筆頭!お疲れ様です!」

「おう」

「筆頭!今日も決まってます!」

「おう・・・っと、お前等!」

政宗が家臣を呼び止める。

「何すか?」

「軍議だ。召集かけとけ」

「マジっすか!?」

「よっしゃー!やっと戦だぜ!」

政宗がそういうと、家臣たちは跳ね上がる勢いで走っていった。

「・・・アイツにも言っとくか」

政宗はそんな家臣を見た後、私室へと行った。


「おい、真田」

「ひゃあっ!!!」

政宗が幸村を呼ぶと、幸村は物凄い勢いで反応した。

「・・・何見てんだ?」

「け、携帯電話でござる。何故か圏外な故・・・」

「・・・んなもん、こっちの世界にはないんだから当たり前だろ」

「あ、そうでござるな!全く思いつかなかったでござる・・・」

幸村はハハ、と乾いた笑いをする。

「ところで、何の御用でござるか?」

「軍議だ。お前も来い」

「軍議?」

聞きなれない言葉に幸村は首を傾げる。
政宗は、そんなこともわからないのか、と言うようにため息をつき、幸村に説明した。
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