戦国×現代novel

□一輪の花4
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政宗は馬から降りて刀を抜く。

「小十郎。誰にも邪魔させんじゃ・・・「佐助!!?」」

政宗が小十郎に命じようとしたところ、幸村が急にデカイ声で叫んだ。

「「・・・は?」」

その幸村の声に、政宗と佐助は見事にハモった。


「・・・真田。お前の知り合いか?」

「いや、オレにも訳がわからぬ・・・。佐助!そなたもこの時代に来てしまったのか?」

幸村は突然、佐助に素っ頓狂な質問をした。

「・・・は?何言ってんの、こいつ・・・」

この幸村の問いには佐助も訳がわからず聞き返した。

「あー・・・訳がわかんなくなってきたぜ・・・」

これには政宗も頭を抑えて考え込む。

「・・・やはり気のせいか?うーん・・・でも佐助にそっくりでござる・・・」

そのわけのわからないことを言い出した当の本人も頭を悩ませていた。

本当に似ているのだ。
顔も、声も、何考えているのか読めないところも。
小さいころから一緒に過ごしてきた、幼馴染によく似ている。
っていうか、そのままである。

「そこの栗毛の奴!
何考えてるか全く分かんないけど、多分アンタの知ってる佐助と今ここにいるオレ様は違うと思うよ」

「何!?」

「アンタがオレ様を知ってたとしても、オレ様はアンタのことを全く知らない。見たこともない。
・・・ま、強いて言うならもう死んじゃった真田昌幸に似てるかな」

「・・・オレの父親の名は、真田昌幸だぞ!」

幸村が佐助の言ったことに反論するかのように声を張り上げて言う。

「・・・真田の旦那にこんな子供いたっけ・・・」

佐助もとうとう頭が痛くなってきた。

「・・・アンタ、名前は?」

そして、しばらく考えたあと、佐助はこう聞いた。

「オレは、真田幸村でござる!」

幸村は、何も考えずそういった。

(幸村・・・?そんな子供は真田の旦那にいなかったはず・・・)

「・・・じゃあ、幼名は・・・?」

佐助が新しい質問を問いかけると。

「・・・?幼名とは、何でござるか?」

すると、幸村は首をかしげながら聞き返した。

(・・・どういうことだ・・・?幼名を知らないっていうか、幼名の意味すら知らないなんて・・・)

佐助がそう考え始めた時。
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