戦国×現代novel

□一輪の花4
4ページ/9ページ



キィン!!

佐助の目の前に、刀があった。
佐助は辛うじて、大型手裏剣で受け止める。

「・・・血の気が盛んだねえ。独眼竜は」

「HA!頭で考えんのは嫌いなんだよ!特にこういう意味わかんねえ話はな!」

佐助に襲い掛かったのは、政宗だった。

「政宗様!」

「Hey、小十郎!誰にも手出させるんじゃねえぞ」

政宗を諌めようとした小十郎だが、逆に政宗に命じられてしまった。
しかし。

「伊達殿!!」

幸村が政宗に声をかけた。

「あぁ!?」

「その者は、この幸村がお相手いたす!」

「はぁ!?」

幸村の突拍子もない提案に、政宗は思わず聞き返してしまった。

「何言ってやがる!てめーこないだオレが言ったことを忘れたのかよ!」

「もちろん覚えており申す!しかし、この者はオレの世界の幼馴染そのままでござる!
それなら、癖もそのままかも知れぬ!」

「だが・・・」

「それに、この者が優れた忍ならば、伊達殿が戦うべき相手ではござらん。
伊達殿は、軍を率いてその・・・上杉を討ってくだされ!」

幸村は、背中に背負っていた槍を構えて言った。

「・・・やれんのか」

政宗は、幸村にそう聞いた。

「もちろん!必ずやこの幸村、伊達殿のお役に立って見せようぞ!」

幸村は迷いなくそう答えた。
政宗は、その答えを聞いた後、剣を引き、再び馬に乗った。

「てめーら!伊達軍はこれより川中島に突入する!!」

政宗の声で、伊達軍の家臣は一斉に答えて、馬を進め始めた。

「・・・真田。てめーの本当の居場所はどこか、考えろよ」

「・・・?はい!」

政宗の言葉の意味がわからなかったが、とりあえず返事をした。

「必ずや、伊達殿のところに追いついてみせまする!」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ