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□蒼い竜と紅い虎4
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「じゃあ、竹中と前田は?」
政宗がまた聞いた。
「前田…何だっけ」
元親も、必死に頭を搾って思い出す。
「オレはドッジだよ〜♪」
すると、慶次の声が聞こえたので、後ろを見た。
そこには、体操服の慶次と、彼に無理矢理連れ出されたような感じの半兵衛がいた。
「お前、ドッジだっけ?」
「まあな!半兵衛は見学だよな?」
半兵衛は頷いた。
「全員参加がRuleなんじゃなかったのかよ?」
政宗がそう聞くと。
「見学理由書いて理事長に出せば、見学できるぜ?」
慶次が何の前触れもなく、そう言った。
「はあ!?そんなの聞いてねえぞ、元親ァ!!」
「んなの言ったらお前ぜってー見学するだろうがよ!」
鬼のような形相で元親に詰め寄る政宗に本物の鬼の異名を名乗る元親は引き下がった。
「あ、でもー、政宗理事長に嫌われてるから無理なんじゃね?」
慶次は笑顔でそう言う。
「…オレは結局やる運命なのかよっ…!!」
「これ以上見学増えたらオレらの勝ち目なくなるだろ?球技苦手なんだったら逃げてるだけでいいからよ」
「…後で奢れ後で奢れ後で奢れ後で奢れEndress」
政宗が突然呪文のようにそう言った。
「わ、わかった。奢るからしっかり出てくれよな」
元親は、何とか政宗が出てくれたのに、ほっとした。
「半兵衛ー。お前どうする?保健室で寝とくか?」
慶次が半兵衛にそう言った。
「いや、ここにいとくよ。外に出ているだけなら何の問題もない」
半兵衛は慶次にそう返事して、何故か政宗を見た。
「それに、秀吉を倒したたった一人の相手を観察することが、僕の役目だ」
「Shit…」
政宗は、半兵衛の食えない笑顔を見て舌打ちした。