戦国×現代novel
□一輪の花７
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それから間もなく、軍議が開かれた。
「あっちはどこまで進攻してやがる?」
「はい。既に南部と津軽が押されたようです」
「Shit!あいつ等は何をしてやがったんだ?」
「双方が長らく均衡状態で、恐らく一揆には目もくれなかったのでしょう」
「…ちっ」
「そういう政宗様こそ、先日最北端でお見かけになられたことがあるのでは?」
小十郎の言葉に、政宗は少し驚いたような表情で小十郎を見つめた。
「…何年共にいるのですか。貴方様のやるようなことなど、把握しております」
「…Hum,お前には適わねえな」
「恐縮にございます。それで、向こうの情勢は」
小十郎が先を促す。
他の家臣達も、政宗の言葉を待ち望んでいるようだ。
「あいつ等は武士から武器を奪ってる。あれから倉庫を覗いてみたが、案の定ウチの軍も武器を取られてた。
今ウチにあるのは手前等が持ってるその刀だけっつーわけだ」
途端小十郎の目つきが獣のように変わる。
おそらくこの後、倉庫番の者はしめられるのであろう。
「まあそんな怒るな小十郎。それで、その一揆の頭領が、年端もいかねえ餓鬼…しかも女だ」
「餓鬼がそんな…!」
「んなもん余裕じゃねえっすか!」
家臣も口々に言う。
「…その餓鬼に武器を取られたのはどこのドイツらだ?」
しかし、小十郎のドスの聞いた言葉で家臣達は皆静まり返った。
「数はどの程度で?」
「数はこっちの方が有利だが…地の利はあっち、だな。どうする、小十郎?」
政宗は扇子をパチリ、と鳴らして小十郎を見つめた。
「そうですね、武器が少なく、地の利があっちにあると言うのなら…早い所頭領を倒してしまった方がいい。
それか、一揆衆がこちらの地の利が有利になるようなところまでおびき寄せ、それから奇襲をかける…。そのどちらかでしょうね。
しかし、伊達の名を傷つけぬためには」
「…Speed勝負、ってことか」
「左様」
政宗は小十郎の肯定に笑って立ち上がる。
「Ha!面白え!そうと決まればとっとと終わらせちまおうぜ!おいお前ら!!陣触れをしろ、Partyの始まりだ!!」
「YEAHHHHHHHHHHH!!!!」
「政宗様、お分かりいただいているとは思っておりますが」
軍議の後、戦の準備をしている政宗に小十郎がそう声をかける。
「Ah?あれだろ。わかってるよ」
「でしたらよいのです。貴方様は血の気が盛んになられると、この小十郎の申し付けたことをすぐに忘れられてしまうので、今回だけはそのようなことがなきよう」
「Ah-Han,ひでえ言い様だな」
「事実でございましょう」
小十郎の差し出した兜を被る。
そして今度は、六爪を腰にしっかりと収めた。
「…絶対に死なせねえよ」
その言葉は、己自身に言った誓いのように聞こえた。
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