dook3
□二話
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『アンケートのご協力ありがとうございました』
と、大きな太字で書いてある。
「今回、お客様はサンプルに選ばれました。おめでとうございます」
手紙から声がした。
「うわっ」
驚いて後ろへ下がる。……と言っても手紙を持ったままなので大差はない
「て、手紙が喋った……」
すると、手紙から落ち着いた声がした。
「驚かせてしまってすみません。先ほども申しましたように今回、貴方様がサンプルに選ばれました」
「サンプル……って何の?」
ドクドク、と心臓が早く動機している。
なんだコレ…………。
「失礼しました。サンプルというのはですね……現在、異世界へトリップをする。……という研究をしておりまして。そのサンプルです」
「ってことは……私が実験台?」
「そんな悪い言い方をなさらないで下さい。前に、トリップのサンプルになったお客様もいらっしゃいます」
今度は、少し慌てたように手紙が言った。
言ったって言うべきか? でもコイツに口はねぇよ。
「ま、いいか。で?私の能力は?」
「はぁ……ロギア系の能力すべて。でしたね」
手紙の溜息。むかつくな。
ただの紙切れの癖して。