短編(CP,夢)
□共有すべき秘事
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細長い綺麗な指がベルトルトの胸元を這う。
その度に聞こえるのはぐちゅりと言う生々しい音とベルトルトの艶かしい喘ぎ声。
ベルトルトを翻弄する男の名はナナシ。
調査兵団の分隊長である。
「いつ見てもお前はエロいな…なあ?ベルトルト」
低音の声がベルトルトの耳を犯す。
ナナシの舌が耳をくちゅりと這うのをベルトルトは目を瞑って耐えた。
「あ、はぁ…っ、ナナシ、ぶんたいちょっ…ーーっ!」
ぐちゅりと結合部が水音を立てベルトルトに快感を与える。
「違う。教えただろう?ベルトルト」
涼しげな顔でベルトルを見れば、ぁう、と目尻に溜めている涙が見えてしまい、つい舌が舐めとる。
「ナナシさん…っ、あ、あぁぁあ!」
名前を呼んだ途端に蕩けきった中にあるしこりに当てる様にして腰を動かすナナシにベルトルトは声を抑える事ができなかった。
事情後、二人は一つのベッドに並んで横になっていた。
ベルトルトは冷めきっていない熱の中、この男になら、と思い口を開く。
「ナナシさん…」
ベルトルトの声にん?とそちらを向けば、無表情のベルトルトが天井を見つめながら淡々と話し出した。
「もし、僕が、人類の大敵である超大型巨人…だったら、どうしますか…?」
その声は震えていて、今にも泣き叫びそうな声。
ふむ、と考える素振りを見せたナナシはくるりとベルトルトの方を向いた。
「そうだな、調査兵団分隊長としてなら、お前を殺さなくちゃならない。
だが、それを言うなら、調査兵団のお前も俺を殺さなきゃならない」
ベルトルトはナナシの言った言葉が理解できなかった。
え、と小さく漏らした声は唇が合わさる事で行き場を無くし、侵入してきた舌はベルトルトの舌を絡め取りいやらしい動きをした。
「知っていた。お前が巨人なのも。
だけどなベルトルト、俺も、お前達と同じ巨人になれる人間なんだよ。
そして、俺は人類が大嫌いだ」
その後、ナナシはベルトルトに何も言わせまいともう一度身体を重ねた。
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