短編2

□優しさは君だけに
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廊下を歩きながら思うことは後悔、後悔、後悔。
今まであまり喧嘩をしたことがなかったから、嫌悪感に包まれてしまう。
どうしてあんな事言ってしまったんだろうか。
仕事からのストレスが溜まっていたからだろうか。

「どうしよう…考えっつったって何にも…」

「どうかされましたか?」

目の前に居たのは廊下の赤い絨毯を同じ色の服を身にまっとった風だった。
アルコバレーノの呪いは解け、すっかり大人の姿となった彼。
年齢は知らないがリボーンと同じくらいらしい。
雲雀と同じ顔で、性格はとても穏やかで優しい風を見て、不覚にもトクンと胸が高鳴るのが分かった。
別に顔で雲雀を好きになった訳ではない綱吉だが、今求めている物を持っていてそして同じ顔の風がいるのだから、仕方がないと思う。

「風さんは…素敵ですね。」

別に深い意味は無かった。
性格も良く、賢くて冷静で大人で…もちろんボンゴレに仕える女達に大人気だ。
綱吉の言葉を聞いた風は一瞬驚いた顔をし、そしていつもの優しい笑顔になった。

「急にどうされたんですか?」

風は屈み綱吉の目線に合わせ、目の前で微笑まれる。
その笑顔はまるで諸事後に見せる雲雀の笑顔とリンクして、かぁっと顔が赤くなってしまう。
だって…仕方ない、ご無沙汰なんだから。

「ん…?髪にゴミがついていますよ。」

「へ?」

そっと、毛先に付いてある白いゴミを風が取り除いた。
一瞬近付いた風の顔に再びときめいてしまったが、ふわりと香る匂いは全然異なる物。
一体何を考えてたんだ、俺は。
お礼を言い、その場を去って行った。
その光景を、追いかけた雲雀が見ていたとも知らずに。

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