短編2

□小さな贈り物
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「小さなヒバリさんが欲しい。」

そう、確かに俺はそう言った。


例年通りリボーンの誕生日会を終えた今、体はぐったりと疲れていた。
今年のボンゴレ式なんたらの出しモノは山本と寿司大食い大会をして、見事に気持ち悪くなった。
山本の胃はどうかしてる。
運動するからたくさん食べるのは分かるけれど、寿司は別腹だというかのようにするすると腹へ入っていくのだ。
1位にはなれなかったものの、その場は盛りあがった。
そんな出来事があった夜。
明日は自分の誕生日で密かにドキドキしていた。
彼と結ばれてから初めての誕生日なのだ。
“家に行くから、待ってて”
そう言われた時からドキドキが止まらない。
誕生日を母さん以外の人と過ごせるだなんて、しかも大好きな彼とだなんて、なんて幸せなんだろう。
布団に入ってもなかなか眠ることが出来なかった。
すると、寝ていると思っていたリボーンが話しかけて来た。

「どうせヒバリの事考えてんだろうが、この変態。」

「へへ、変態じゃないし!」

彼の事を考えていたことは否定しない。
だって本当のことだから。
リボーンはすくっと立ちあがり、俺の腹の上へ乗ってきた。
ただ乗ってきたのではない。銃口を目の前に向けながら、だ。

「なななな!!」

「せっかく誕生日だからな。優しい俺様がお前の欲しい物をくれてやる。…ただし10秒以内に答えろ。」

「はあああ!?」

リボーンは早速カウントダウンを始めた。
待て待て待て待て。いきなり欲しい物と言われても困る。
リボーンの事だから無茶な事でも叶えてくれるはずだから、ゲームが欲しいなど現実じみた物はなしだ。
じゃあ、なんだ?
厳しい修行をやめろ、なんてそんな曖昧なことじゃ駄目だ。
きっとそんなお願いをした所でリボーンにとっては優しい修行でも、俺にとっては厳しい修行になるのが目に見えている。

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