短編2

□小さな贈り物
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「5…4…」

そうだ、彼に関することにしよう。
例えば彼から愛の言葉を言ってもらう…なんて絶対嫌だ。
無理矢理言わしたってしょうがないし、第一言われたって嬉しくない。
どうしよう、どうしようと迷っている間に、もう三秒前を切っていた。
リボーンが欲しい物をくれるチャンスなんてこの先何度あるか分かったもんじゃない。
確実に欲しい物がいい。
そして出た答えは冒頭の言葉に繋がる。

「小さなヒバリさんが欲しい」

「…小さなヒバリ?」

自分でもどうしてそんな事を頼んだのか、よく分からない。
ただ部屋に小さなヒバリさん模型があれば、家に帰っても楽しいかな、なんて思ったから。
そんな要望にリボーンは暫く考え、ニヤリと危険な笑みを浮かべた。
きっとロクでもないことを考えたの違いない。…見なかったことにしよう。
リボーンは楽しみにしとけ、と一言吐いて布団にくるまった。

「…って!銃向けた意味ねええぇ!!」

俺の言葉は提灯を作ったリボーンには届かなかった。
冷静に考えれば考える程、もっと適切な欲しい物はあったはずだ。
例えば十代目のボスにならない、とかマフィアと関わりたくないとか。
だが時既に遅し。
もうリボーンには“小さなヒバリさん”を注文してしまったのだから。

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