短編2

□ネズミとネコ
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綱吉19歳
雲雀20歳

雲雀さんが合コンに参加するという群れている小説ですが、あまり気にせずお読みください。





もういつの間にか大学生にまで成長していた自分。
親に迷惑をかけないように就職を選ぶつもりだったが、今の時代大学を卒業しないと就職できないわよ、と母に言われ入学したのだ。
大学生になるとサークルに入り仲間と楽しく過ごす場所だと思っていた。
素敵な恋人が出来、レポートを一緒にするという夢も抱いてた。
だけど現実は違う。

「は?大学生でまだお前童…」

「わーわーわー!大きな声出さないでよ!」

選択している学科が同じで、気が合う友達が最近出来たのだ。
今まで友達という友達が出来たことはなかったので、言う機会もなかったのだが…俺は未だに誰ともお付き合いをしたことがないのだ。
勿論経験もないから童貞だ。
別に無理に言うこともないかなっと思っていたが、過去の恋愛話について聞かれたので正直に答えた。
確かに世間一般で考えて、この歳で童貞なんておかしいのかもしれない。
だけど人それぞれだから自分のペースで恋愛はすればいいと思っていたけど…友達の反応を見ると少し焦ってしまう。

「沢田可愛いのになー」

「嬉しくないよ…」

幼い頃から今まで、可愛い、と何度も言われてきた。
小さい頃はそれが褒め言葉だって思ってたから素直に喜んでいたけど、中学生くらいになると、周りの男子はかっこいいと言われているのに、自分だけ未だ可愛いと言われることが嫌で嫌で仕方がなかった。
登校中女子に間違われて痴漢されそうになったことだってある。
だから可愛いという言葉は俺にとってはいい意味には捉えられなかった。

「お、そうだそうだ!」

友達は鞄の中を漁り、携帯電話を取りだした。
ポチポチと数回ボタンを押すと、耳に当てた。
話の最中に電話だなんて失礼だな、なんて少し不機嫌になりながら、電話をしている間俺はノートや筆箱を鞄の中に片付けていた。

「もしもし、俺俺。次の合コン二人足りないって言ってたよな?俺と沢田行くからよろしく。んーじゃあな。」

「はっ!?ええ、えちょっと!」

俺の意見なんて聞く気がないのか、友達はあっさりと電話を切ってしまった。
合コンって、あの合コンだよな…?

「無理だよ合コンなんて!ろくに女の子と喋れない俺が…何考えてるんだよ…っ」

「なあ、沢田。何事も経験だって、な?しかも今回草食系好き女子ばっかだってよ。絶対お前モテるって。」

最近何かと話題の草食系男子という言葉。
恋愛に奥手な男子のことを言うらしいが、それはまさしく自分のことだとは理解していた。
ただ草食系男子という言葉だけが一人歩きをして、実際には街角インタビューで肉食系男子が好きという女の子の意見多数なテレビを最近見たばかりだ。
絶対モテない。絶対一人浮くだろう。
でも、自分があのドラマや漫画で見た合コンというものに参加する日が来るだなんて。
彼が言うように何事も経験してみないと分からないかもしれない。

「頑張って…みようかな、」

「おう!」

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