短編

□太鼓魂
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「勝負!?」

言うなりリボーンが口角を上げニッっと笑った。
こういう表情をするときは良い事なんて、一つも無いのだ。

「アルコバレーノ、僕は興味がないので辞退させていただきますよ。」

「赤ん坊、今は君の相手してられなくてね。」

骸と雲雀さんが帰ろうとしたその時、

「賞品はツナだったんだがな…まぁお前達は不参加、」

「何ですって!?」

「何だって!?」

結構遠くまで去っていっていた地獄耳の二人が、凄い勢いで帰って来た。
うわっ何か目がギラギラしてるよ…って、ん?

「な、オレが賞品!?何考えてんだよ、リボーン!」

「なんだ、骸に雲雀もやっぱり参加すんのか?」

「無視すんな!」

「賞品が綱吉君だなんて、参加しない訳にはいかないですよ。」

「当たり前じゃない。賞品は僕が貰うよ。」

俺を無視して話が段々進んで行っている。

あの、賞品本人の承諾を得てから話を進めて下さい…。

「お前らは参加すんのか?」

「勿論です、リボーンさん!俺も参加させて下さい!」

「俺もなのな!勝ってぜってーツナGETするぜ。」

俺が影で激しく突っ込んでいるにも関わらず、参加者続々増加中。

そうでした。俺の守護者は皆変態でした。

「よし、参加者は4人だな。丁度良い。」

「ちょっと待てよリボーン!俺が賞品ってどういうことだよ!」

「俺と一週間ねっちょり修行と、こいつらの誰かと一日過ごすのとどっちがいいんだ?」

小さな殺し屋に銃口を向けられ、二択を迫られば、ねっちょり修行は嫌です。としか言えなかった。

そうするとまたリボーンは口角をニッと上げ笑った。
またこの表情だ、嫌な予感しかしない。

「じゃあ勝負はアレでやるぞ。」

「アレって…太鼓の達人!?しかも丁寧に二台並んであるし!」

リボーンが指さした場所には太鼓の達人があった。
いつも遊んでいるゲーセンだから分かるけど、このゲーセンには太鼓の達人は一台しかなかった。

それなのに今日は何故が二台あって、4人で対戦出来るようになっていた。

ま、まさか…

そろりと目線をリボーンに送れば、フッと鼻を鳴らし誇らしげな顔をしていた。

「だって、二台無いと皆で対戦出来ないんだもん。」

「可愛く言ってもダメ!」

頬をぷぅと膨らますリボーンに激しく突っ込みを入れた。
なんか今日突っ込みどころ多くないか…?
いや、俺元々ツッコミ担当だっけか。

「ルールは簡単だ。合計得点が一番高い奴が優勝だ。優勝したあかつきには賞品としてツナを一日やるゾ。
煮るなり焼くなり、突っ込んだり好きにしろ。」

「俺に拒否権はないのかよ!」

「じゃあ始めるゾ。」

「だから無視すんなって!」

リボーンだけでなく、みんなも俺を無視してゲームをスタートさせていた。

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