短編

□こんにちは、それでは。
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「…」

「…」

二人はひたすら無言だった。
向こう何故か真剣に見つめてくるし、かといって何かする訳でも無さそうだし。
俺はどうしたらいいんだ。

「やっぱりボス達が言ってた通りですー」

いきなり、いやホントいきなりフラン君が声を出したので、俺は大きく驚いた。

「大丈夫ですかー?」

「う、うん。ビックリしただけ…で、ボス達が言ってたって何?ってかボスってもしかして…」

「そのもしかしてで正しいと思いますよー」

俺の勘が正しければ、ザンザスの事だろうか?
目くばせをすると、彼は無表情のまま口だけをニッと上げて笑った。

「で、言ってたことって?」

「みんな五月蠅いんですよねー。ミーだけボンゴレ十代目の十年前の顔を知らないもんだから、蚊帳の外なんですよー。」

「五月蠅いってどんな事言ってるの?」

とりあえずフラン君に靴を脱いでもらって、座布団の上に座ってもらった。
被り物脱がないの?って聞いたら、ボス命令なんですよーっと彼は無表情のまま言ってのけた。

「十年前のボンゴレは可愛いとか、苛めたくなるとか…ホント五月蠅いんですよねー」

「…は?」

「だから僕も見たくてランボ君を脅して…あ、間違えましたー。協力してもらって、十年前にやってきたんですよ。」

「え、…は?」

いや、君ランボ脅して何やってんの!?
え…?可愛いとか虐めたくなるとか…えぇ!?
てか、十年バズーカって未来に行くものだよな…?
じゃあ十年後のフラン君が使ったら、そのまた十年後のフラン君と入れ替わるんじゃ…
あれ?俺の頭が可笑しいのか?

俺がうんうんと唸って考え事をしていると、フラン君は内ポケットからメモ帳を一枚取り出して、睨めっこしていた。

「あのー、ミーには時間がないので、早速仕事始めちゃいますねー」

「え?仕事って?」

「じっとしてれば、すぐ終わりますからー」

フラン君はリングから霧属性のインディゴ色の炎を出した。
死ぬ気の炎だ。

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