短編
□会いにいきます
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「おはようー」
今日は10月14日で俺の誕生日だ。
普通の家庭なら今日誕生日会を開くのだが、俺のところは少し違う。
それは、小さな家庭教師が前日の13日に誕生日だったからだ。
「ダメツナ、今日誕生日だから特別にねっちょり修行してやるゾ」
「なんでだよ!」
俺の誕生日会は昨日リボーンと一緒に祝われたのだ。
友達が少ない俺は毎年母さんに祝ってもらっていて、今年もそのつもりだったのだがそれは叶わなくなった。
その為今日一日オフ!
予定なし!
もう、なんだか寂しくなってきた。
「ツッ君、ポストに手紙が入ってたわよ?」
朝食を食べ終え、母さんに渡された一枚の封筒。
俺の名前が書いてあるだけで、住所も差出人の名前も書いていない。
切手も貼ってないから、直接ポストに入れたのだと察した。
「敵対するマフィアからの暗殺状だったりしてな。」
「誕生日に不吉な事言うなよ!」
でも本当にそうだったらどうしよう。
確かに俺の名前を書いてある字は日本語を書くのになれてない感じだし…
ドキドキしながら封を開けると、一枚の手紙が入っていた。
「暗殺状にしては、可愛い手紙だな。」
その手紙には一文だけ。
真ん中に小さな可愛い字で「今日の夜少し時間をください。」と書いてあった。
「ラブレター!?」
「ちっ」
あぁ神様、なんて素敵なプレゼントなんだろう。
こんなに神に感謝した日はなかった。
家を出ると必ずお出迎えをしてくれる獄寺君に祝福され、途中で会った山本にもおめでとうと言われ幸せだった。
教室に入ると、ダメツナおめでとうと笑いながら受け入れてくれるクラスのみんなに、自然と微笑みが生まれた。
リボーンが来てから、色々大変な目に遭わされたけど、こうやって沢山の友人が出来た。
今、凄く幸せだった。
「十代目、今日は俺に誕生日を祝わせて下さい!」
「俺も部活休むし、一緒に過ごそうぜ。」
「野球バカは野球してりゃーいいんだよ、ついてくんな!」
「ははっ獄寺ばっかはずりぃのな。」
二人が俺を祝ってくれようとしていることに、更に喜びが増した。
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