短編

□一筋縄ではいかないようです
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なんだかこの表情どこかの変態に似てるなーって。
いや、あの南国果実の弟子だからって似てるなんて失礼かなって思った。

「あの、ちょっと聞きたいことがあるんですけどー」

「ん、何?」

フラン君がキチッと座り直したから、俺も大事な話かと思い、同じくキチッと座りなおした。

「ボンゴレ十代目は受けですか?」

「はあああぁ!?」

突然の問いかけに俺は大きく驚いた。
こんなに大きな声を出すと、あの変態四人組が出てくるかと思ったが、大丈夫なようだ。

「ミーの予想では、受けだと思うんですよねー。というかー受けですよね?」

「ちょ、ちょっと待ってよ!受けって何!?」

「で、ミーは考えたんですけど、ミーは受けか攻めかって…どう思います?」

「人の話を聞けー!」

最初に会った時と印象が全く変わらない。
世間に興味が無さそうという次元ではなく、人の話も聞かないような子でした。
攻め受けってSかMかということだろうか?
だったら待て待て。
俺は決してMではない。

「いや、Mですよー」

「待て、どこで覚えた読心術。」

「師匠からですー」

アイツ、あとで絞めてやる。

「というかーSMの話じゃなくてーセックスの時ですよー」

「はあああぁぁ!?」

さっき同様また大きな声を出してしまった。
匣の中のナッツもカタリと動いていて、俺同様驚いているようだ。

「で、ミー自身どっちか分からなくて、ベルせんぱいで実践してみたんですよー」

「え、え!?」

「そしたら呆気なくベルせんぱい気失っちゃってー」

「ええ!?」

「それで分かったんですけど、ミーは攻めなんですよねー」

また口角をニィと上げ師匠のように笑った。
そして対面するソファーから立ちあがり、俺の横へと腰を下ろした。
広く大きなソファーなのに、えらく近い。
俺が右へ少しずれると、同じようにフラン君は右へと寄ってきた。

「え、あの…何?」

先ほどまでの会話の流れからして…俺もしかして、

(やられる…!?)

でもでも、もしかしたら違うかもしれないし、フラン君はみんなと違って変態なんかじゃないかもしれない。
だから俺は大きく逃げることが出来なくて、少ーしずつまた右へずれてみた。
すると、フラン君も先ほどと同じように、少ーしずつずれてきた。

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