短編

□甘え=甘え
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勿論守護者のみんなは俺と恭弥さんの関係は知っている。
だから親睦会は毎年クリスマスイブに行われる。

右腕の彼はいつも俺の隣に居るから、親睦会の時寂しそうな顔が出てたんだと思う。
そして彼なりの優しさで今俺を元気づけようとしてくれていて、その事にもまた涙が出そうになった。

「…昨日あれだけ飲んだのに、また飲むの?二人共元気だね!」

うまく笑えているだろうか。

「…いいじゃないっスか、行きましょう!十代目。」

いや、笑えていなかったみたいだ。
一瞬獄寺君が悲しそうな顔をしたから。
それも見ない振りをして、腰を上げて立ち上がると二人で執務室を出た。
扉を開けた所に山本も居て、いつものように頭をくしゃりと撫でられた。

「んじゃ、行くか!」

「もうっ、子供じゃないんだから撫でないでよ!」

「そうだ野球馬鹿!十代目が嫌がられてるじゃねぇか!」

こんなやり取りも久しぶりで、クリスマスに男三人で過ごすのもいいかも知れないと思った。
一人であのまま過ごしていたって彼が来ることはないような気もするし、寂しいだけだ。
こうして気遣って誘ってくれる仲間に心底感謝した。

今日はクリスマスなのだから、外に行くと街中カップルだらけであろう。
そんな中男三人で飲むのはどうかという話になり、ボンゴレ敷地内にある酒屋で飲む事になった。
敷地内と言っても遠くて、約1キロはあるだろう距離を三人で歩いて行き、角を曲がった瞬間、何かにぶつかった。

「ぶっ!」

この年になっても小さい俺はその物体にぶつかった衝撃で、尻もちを着いた。
元々低い鼻を強く強打してしまって、痛さでスリスリと擦りながら形を確認すると、変わらず低いままだった。
いいのやら、悪いのやら。

それよりぶつかった事に謝ろうと顔を上げると、俺は固まった。

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