短編

□sweet melted
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一応sweet meltの続編ですが、読まなくても分かる展開です。
どうぞそのままお進み下さい。










バレンタインが終わった翌日の事。
あれからドロドロに甘く彼からの愛を受けた綱吉は、痛む腰をさすりながら登校していた。
登校中並盛商店街を通るのだが…

「切り替え早いよなあ…」

昨日まであれほどピンクのハートオブジェが並んでいたのに、明けた翌日はうって変わってブルーのハートオブジェが並んでいる。
いたる所にお返しにはクッキー!などお菓子屋や雑貨屋が宣伝をしていた。
そういえばホワイトデーのお返しって何をあげるんだろう。
お菓子屋がいかかですかと宣伝しているのは、クッキーやマシュマロ、飴など。
今までバレンタインに貰ったことのない綱吉はそうなんだ、と他人事だった。

「ま、今年も関係な…ん?待てよ。」

バレンタインにチョコをあげたのは綱吉だから、恋人である雲雀からは今度は貰う側だと思う。
だけれど、昨日体に塗られて美味しく食べられたのは俺の体とチョコレート。
あれはバレンタインに貰ったと受け取るべきか。
彼がもしチョコをあげた気になっているのならば、それはお返しをしないといけないという訳で。

「どっちなんだろう…」

綱吉は悩んでいた。



◆◇◆◇◆◇


「つなよし。」

日曜日の朝。
温かい太陽の熱と毛布から与えられる熱でぽかぽかな綱吉はまだ布団の中にいた。
聞こえた声は自分を呼んでいるようだが、まだ寝足りない。

「ん…ランボ?…休みなんだから、もう少し寝かせろよ。」

昨日はゲームを夜遅くまでしていたから、まだ起きるには早い。
ああそういえば、昨日のゲームは最後のボスが強くて諦めたんだっけ。
あんな強い奴どうやって倒したらいいんだろう、とか寝ぼけた頭でそんな事を考えていると、再び呼ぶ声が聞こえた。

「つなよし。」

つなよし?
名前と共にほっぺをふにふにとされるもんだから、ランボが遊べと呼んでいるかと思っていたのだが、どうやら違うよう。
ランボはツナと呼ぶし、母さんはこんな低い声じゃない。
リボーンだったとしても、こんな優しい起こし方なんてされたことない。
じゃあ一体誰だろう。
眠い目を擦りながらゆっくりと目を開けると、バックに太陽の光を浴びた整った顔があった。

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