短編
□車とキーとひばり先生
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*雲雀先生のお家5
眩しい日差しが瞼を刺激し、雀の鳴き声が耳を独占する。
暖かい布団の中から出たくなくって毛布にぎゅっとくるまると、暖かい物が一緒にくっついてきた。
そういえばこの布団、触り心地がいつもと違う気がする。
匂いも違う。
俺、いつの間にか家に帰ったっけ?というより何処で何をしてたっけ、と寝ぼけた頭でぐるぐる考えた。
重い瞼を開ければ整った綺麗な顔が目の前にあった。
「ひ、ひひひばりせんせーー!?」
どうして一緒に同じベットで寝ているんだろう。
そういえば眠る前、ひばり先生の部屋で勉強していた気がする。
でも記憶はそこまでだ。
大声を出したことにより起きた先生は不機嫌な顔で大きく睨んだ。
物凄く近い距離で物凄く睨まれたことにより、体が恐怖で動かなくなる。
きっとこの人は低血圧なのだろう。
睨んだあと、腕がゆっくりこちらに伸びてそしてぎゅっと引き寄せられた。
(ひいいぃぃー!!)
先生と俺との距離はゼロセンチ。
心臓がドキドキとうるさくて、きっと先生が寝ぼけてなければ聞こえているだろう。
この状況はなんなんだろう…!
ベットの中で抱き合って眠るだなんて…カップルじゃないか。
きっと誰かと間違えて抱きしめてるんだろう。
そう思うと悲しいけど、それでも好きな人ど抱き合えるなんて嬉しい。
起きたらきっと突き飛ばされるだろうけど、その時まではこの状態に幸せを感じていたいと思う。
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