短編

□車とキーとひばり先生
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*同伴2

冷たい秋風が吹き、落ち葉で出来た絨毯が所々剥がれて舞い上がる。
頬に当たる風は先程の車内とは一変し、凛と冷たいものだ。
相変わらず頭の上ですやすやと眠る鳥のおかげで頭の一点だけが暖かいが。

先生というのは生徒より早く来て色々と授業の準備をしなければいけない。
雲雀先生も先生だから例外でなく、朝早くここに着いた。
学校の扉を開けると待合室が見え、壁など無くすぐ奥に先生達のデスクが見える。
雲雀先生が少し遅かったのか、それとも他の先生が早かったのか分からないが、既に数人先生が出勤していた。

――ぴしゃり。

雲雀先生と室内へ入った瞬間、空気が張り詰めたような気がした。
なんだ、なんなんだ?
その空気が分からずキョロキョロしていると、先生達のひそひそ声が聞こえた。

「あの雲雀先生が生徒と一緒に出勤…?」

「嘘、たまたま会っただけじゃない?」

「にしてもここに一緒に入ってくるなんて…」

ひそひそ話しているつもりなのか、全て聞こえちゃってるのです。
確かに、一緒に出勤するなんておかしい。
待合室には生徒はまだ誰も来てない。
もしかして俺、今凄くまずい状況なんじゃ…?というより雲雀先生のほうが。

「じゃあまた後で。今日の学科試験頑張りなよ。」

トリ、行くよ。
そう言い雲雀先生はひそひそ話を気にもせず、頭に乗った鳥を突きながら去って行った。
鳥はヒバリヒバリと鳴きながら彼の元へ。

待合室に一人ぽつんと残された綱吉。
せっかくあんなにみっちり勉強に付き合ってくれたんだ。
落ちる訳にはいかない。
そう思い教科書を開いて勉強を始めた。

背後にキラリと光るオッドアイに気づかず。

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