半熟×検索


□隣どおしアナタと♪
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「"耳コピ"だよ、翔太郎っ!」

「―…は?耳コピ…?」


翔太郎はフィリップの言葉を疑う。


「耳コピって…じゃあ、検索したのは曲じゃ無いって事か…」

―…だからカツサンドとか…


「いや、でもさすがにカツサンドはねぇって!!どんな耳してんだお前…」

耳鼻科に連れて行った方が良いか、などと本気で心配になってくる。


「失礼だな。美味しそうで良いじゃないか?」

「美味しそうだけどよ…、曲調に合ってねぇよ。なんか、ズドン…って感じ?」

「そうかい?」

フィリップは自分の歌った歌詞のアンバランスさに気付いていないようだ。


「実際ソコ、"サクランボ"だから」

「"サクランボ"…?」

「そ。全体的にポップなイメージになるだろ?」


一言変わるだけで大違いである。


「ふむ…"サクランボ"か……。
まぁでも、僕には関係の無い事だね。僕が興味を引かれているのは"耳コピ"だから、本当の歌詞は知らなくても良い。」


「……そうか。」

フィリップにとっては、"カツサンド"でも"サクランボ"でも、どちらでも関係無いようだ。

しょうがないヤツだ、と翔太郎はフッと笑う。



「……それに…」

「ん?」



「"カツサンド"の方が…しっくり来ないかい?」

「…………そうか。」

―前言撤回

フィリップにとっては、"カツサンド"がお気に入りらしい。

本当にしょうがないヤツだなぁ…、と翔太郎は手元の本に視線を戻した。





「だって、"カツサンド"の方が、ぴったりくっついているじゃないか…?」

「ぇ……?」



声に翔太郎が顔を上げると、ベッドにいた筈のフィリップが目の前にいた。




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