半熟×検索
□フィリップの年初☆検索
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ゴーン…
ゴーン… ゴーン…
街全体に除夜の鐘が鳴り響く。
それをシミジミと聞き浸る翔太郎とフィリップ。
「…はぁ、年明けだねぇ。翔太郎」
「だなぁ…。早ぇなぁ、もう一年経っちまったのか…。」
「翔太郎、それ年寄りみたいだよ」
―…クスクス
2人で顔を見合せて笑い合う。
そんな何気ない一時が、2人には幸せだと感じられた。
「…それより、翔太郎。」
「ん?」
「僕、日本の年明けについて検索してみたんだ。」
「ほぉ…?」
また始まってしまった、と少々翔太郎は渋い顔になったが、今年一番のフィリップの検索結果を聞いてみることにする。
「で?結果は?」
「それが、素晴らしいんだ!!」
フィリップは瞳を輝かせる。
「"お正月"!これは良い!!」
「…、正月?」
「あぁ!!君は知らないだろうけど、お正月には親戚で集まって"お節"と言う豪華な料理を食べるんだっ!!」
「……(汗)」
フィリップはいつにも増して興奮している様子だ。
どうやら"正月"に対して相当な興味を引かれたらしい。
「そして最大の特典が…」
「"お年玉"、だろ?」
「!!!!?」
フィリップは大きな瞳を更に見開いて驚く。
何故翔太郎が知っているのか…、意外だ。とそう思っているのだろう。
表情が物語っている。
「…、いや、これ日本の常識だから…。」
「…そう、なのか…。」
シュン…とフィリップは俯いた。
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