その他
□目覚め
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「ねぇ、…シズちゃん。……、俺とヤってみない?自慢じゃ無いけど、俺上手いよ?」
なーんて。
試しに誘ってみただけなんだ。
このバケモノはどんな反応するんだろうって、単に興味本意で。
まさか乗ってくるなんて思いもしなかった。
またいつもみたいに「殺す」とか言いながら自販機でも投げてくるもんだと思ってた。
「へぇ?君にそっちの気があるなんて知らなかったよ。本当意外wあ、それとも俺の事が好きだったりするのかな?だったらごめん。俺が愛するのは人間であって、悪いけど君みたいなバケモノじゃないからさ。いくら俺でも人外相手に……っンん!?」
「五月蝿ぇよ…」
「む"、むぐ……ぅ…っ、う"ぅ」
俺の言葉が気に入らなかったのだろう。
いつも俺との交戦で力を振るうその大きな掌が俺の口を塞ぐ。
「誘ったのは手前なんだからな。後からその五月蝿ぇ口であーだこーだ言いやがっても、俺は知らねぇ。」
―手前はただ喘いでりゃいい。
そう言いながら俺の腕を頭の上で拘束するように二本纏めて押さえつけられる。
口の掌は離れたものの、喋るな、と冷めた目線が物語っている。
(ぁー、はいはい。)
いつもにも増してジャイヤニズム全開。本当にイライラするなぁ。
拘束する腕には相当の力が込められていて、正直痛い。折れそう。
なのに
俺を見下す冷たい目線に、
荒々しい手つきに、
罵るだけの言葉に、
ゾクゾクした、なんて……
俺もどうかしてる。
(ねぇ、シズちゃん……。
君は一体どうやって俺を楽しませてくれるのかな……?)
end