コナン夢

□恋は砂糖でできている
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そして元通りソファーに右手を投げ出したが、少ししてその右手を動かした。
甲が触れ、棗がピクリとその細い指を反応させたのを見てその指に触れる。
ぎこちなくだが確かにてのひらを上に向けて握りやすい体勢をとった棗に、新一は矢も盾もたまらず指を絡め、その小さな手を握った。
その指がゆっくりと折れ曲がり柔らかく自分の手に着地するのを嬉しい。
恥ずかしそうに頬を染めながらも自分を見つめる棗に、この想いが一方通行でないことを痛感する。
ほんの少しだけ力を込めて手を握れば、棗も同じような柔らかさで手を握り返した。
触れあう皮膚があたたかくて、気持ちが良い。
付き合い始めたあの日に感じたように、幸せが身体中を駆け巡る。

ーーーあぁ、幸せだ

新一は嬉しさと喜びと幸せに満たされて、こんなにも幸せで良いのか?という疑問すら感じる。
だが頬を染めながら微笑む棗を見て、棗も俺も幸せで良いんだ、と思う。

ーーーこんな、甘い甘い砂糖菓子のような時がずうっとーーー死ぬ瞬間まで続くように。

そのための努力は惜しまない。
新一は強く強く心に決めて、おそらく生涯の人になるだろう隣の棗を見つめた。







>好きだぜ、棗
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