アイシールド21夢

□天使の指
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グラウンドへ出ようとすれば、細い腕で必死に俺の裾を掴んで引き留めた。
細い腕に繋がる細い手首は、おそらく糞チビの手でも掴めてしまうだろう細さ。
白いそれにやけに視線と思考を奪われて、ボードを突きつけられた時は驚いた。
書かれた文字は僅かに丸く、雰囲気そのままといった文字だった。
そして、糞マネ2号は言い切った。


<タケ兄は絶対に帰ってきます>

<タケ兄、アメフト好きだもん>


その言葉に、一瞬で攫われた。
なにを攫われたのかは、正直わからねえ。
だが、こいつの言葉は絶対だと思った。
顔がにやける。
こいつが言い切ったように、俺の計画が狂うことはない。
髪を撫でれば、細く柔らかい髪が指に絡む。
サラリと指をくすぐった髪と、甘いシャンプーの匂い。
こいつがつけていれば、雰囲気に合いすぎていて甘ったるいと文句もいえねえ。


ムサシは帰ってくる。
それを、こいつを含めたメンバーで待ってやろうじゃねえか。
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