アイシールド21夢
□そのたった一言が、
2ページ/4ページ
ヒル魔の携帯が音を立てた。
その音はけたたましく、着信にしては存在を強調しすぎる音。
警報音にも似たその音にヒル魔は一瞬で会場を見渡すと、怒鳴った。
「阿含はどこ行った!」
「え…っ」
ヒル魔の怒鳴り声と同時にムサシは椅子を蹴り倒し、会場を走り去る。
怒鳴られた雲水は驚きながら小さく答えた。
「数分前に、トイレに…」
「くそっ!」
ヒル魔の様子に会場の誰もが驚いて、あと数歩で扉を出るヒル魔の背中に問いかけた。
「ヒル魔さんっ」
「棗に持たせた緊急回線だっ!」
言うが早くヒル魔は扉を抜けた。
そしてデビルバッツのメンバーも意味がわかったのか顔を青くして立ち上がる。
同じく王城や西部のメンバーも会場を走り抜け、その場は騒然となった。
***