アイシールド21夢
□淡く色付いた心たち
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「ぬいぐるみとかティディベアとかのマスコットみたいなちょっと目立つヤツとかは?」
「何かキャラクターってあったか?一休、何か知ってるか?」
「アメリカなんて行ったことないスから…」
山伏に話をふられた一休が戸惑ったように答える。
男子校出身者では特にわからないだろう。
すると近くにいたまもりが楽しそうに言った。
「アメリカ記念なら自由の女神とかもあるわよね?」
「やー!定番だけど一番有名だもんね」
「今回のワールドカップにちなむならアメフト関係だろうね」
「それも良いけど、鷹。アメリカにはディズニーランドがあるよ。あっちは本場だ」
「ンハッ、そうじゃん!行きてーなー」
たくさんの候補が挙がるなか、棗はどの話にも笑顔で頷く。
たわいもない話だが、アメリカの学校に通っていた中学時代にはなかなかできなかった会話だ。
語学力が乏しかったという理由だけではなく、国民性も伴って心から楽しい話はなかなかできなかった。
だが今は大好きなメンバーと心から楽しい話ができるのだ。
と、後ろから呼ぶ声が聞こえた。
棗が振り向くとそこには話に乗ってこなかった武蔵がいた。
手荷物の中に財布を片付けると、大きな握り拳を棗に向けた。