どマイナー夢
□それを、望む
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どうしようもない
どうしようもないくらい、
自分でも何でだろうと思うくらいに
「ね、十和ちゃん」
「なに?」
「サギさんが…さ、」
「うん、」
「サギさんが、もしも伯父さんじゃなくて」
「…うん、」
「もしも、女の人を好きになれるひとだったら、さ」
「…うん、、」
「ふりむいて、くれたのかな……?」
わたしと、十和ちゃんを逃がすために必死に走り回ってくれた人
頭を下げて、時には土下座までして
わたしたちの命と私たちの体を まもってくれたひと
ヤクザのくせに優しくて、できるだけそばにいてくれた
メスに興味がないと言ったくせに、髪を撫でて寝かしつけてくれた
わたしは、ママが好きで パパが嫌いだった そしてサギさんが大好きだった
ママが時々驚くくらい綺麗に笑うのは、いつもサギさんのおかげだったから
パパにはつくれないママの笑顔をつくるサギさんを、魔法使いだと思っていたこともある
だから
だから、サギさんが わたしをまもってくれたとき
どうしようもなく 好きになった