映画/flat夢

□世界を救う為に、背を向ける
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街に着いた一行は骨董品と揶揄された無線機を使いながら援軍の到着を待っていた。
バンブルビーに乗ったナツメやキューブを護るように、車やオートボットたちが周囲を固めている。
ただ、先ほど別れたオプティマスがまだ合流していないことが気がかりだ。
ビルの隙間からのぞく空に一機の戦闘機が見え、ナツメやレノックスたちは車から降りて合図を送った。
ナツメが抱えているキューブを安全な場所に移し替えることができれば、ひとまずは安心できる。
もちろんディセプティコンたちはそのキューブを狙っていくらでも攻撃を仕掛けてくるはずだ。
だが自分たちの有利に動ける場所での戦闘になるのなら、状況も少しは変わってくるだろう。
しかし突然ロボットに変形したアイアンハイドの言葉にナツメの肩は跳ね上がった。


「スタースクリームだ」


ナツメとデイビッドと顔を見合わせ、慌ててレノックスを振り返る。
自分たちには飛んでいるアレが本物の戦闘機なのかそれをスキャンしたディセプティコンなのかを見分けることはできない。
だが同じ種族であるオートボットの見る目は間違うことは無いはずだ。


「あの戦闘機は敵よ!ディセプティコンだわ」

「レノックス逃げろ!ナツメっ」


言うが早く、デイビッドはナツメの手を引いて歩道の方へ走り出した。店の中に隠れる時間はあるだろうか。
デイビッドの呼びかけにレノックスたちが同じく避難し始めると同時に、アイアンハイドとバンブルビーが大型トレーラーを持ち上げる。
アイアンハイドの警告が聞こえた次の瞬間、スタースクリームから放たれたミサイルが盾となったトレーラーに着弾。
爆発と共に身体がいとも簡単に吹き飛ばされた。
ナツメも、ナツメをかばったデイビッドもふらつきながらも立ち上がり、あたりを見渡す。
煙のせいで視界は悪かったが、そこかしこから上がる声に仲間の無事を知る。
だが立ちこめる煙の中から聞こえる機械音とあの独特の悲鳴に、ナツメはすぐ近くにバンブルビーがいることを悟った。
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