映画/flat夢

□招かれざるゲスト
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今日もフランクは仕事。
いつも内容を教えてくれないから(当たり前だけれど)私はひとりで帰りを待つ。
今日の依頼は、普通に荷物を届けるだけらしいので遅くならないと言っていた。
のに。
もう、日も暮れて…もうすぐ星が輝く時間になってもフランクは帰ってこなかった。

私の中で最悪のパターンが浮かんでくる。
もし、フランクが捕まってしまったら。
もし、フランクが怪我をして動けないなら。
もし、フランクが死んでしまっていたら…っ!

自分の想像で寒気すらしてきて、温めようと身体を抱く。
けれどそうすることで、震えている自分を再確認してしまった。


「フランク…!」


呼んでも返事がないのはわかっている。
けれどソワソワと腰が落ち着かない私は部屋の中を動き回っていた。


完全に星が顔を出した頃、フランクが帰ってきた。
エンジン音がして車庫へ入っていったが、いつもよりも苛立っているように聞こえる。
疑問に思いながら、軽めの食事を温めようとキッチンへ足を運んだ。
するとエレベーターが動く音。
いつもはわざわざ回って玄関から帰ってくるのがお決まりだから、それをしたくない程疲れているのかと思いながら振り返る。
そして固まった。


「…フランク?」


少し汚れたスーツにワイシャツ。
そして彼の陰に隠れるように居た、女性。
彼女はガムテープで口を塞がれ、縄で椅子に括り付けられていた。
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