映画/flat夢
□悪夢
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「…アーデス?」
「(この愛する人を失ってたまるものか)」
「……大丈夫よ、アーデス」
「…そう、だな。ナツメ」
感じる鼓動の強さ。
呼ばれる名前の心地よさ。
包まれるぬくもりの温かさ。
「…あぁ、ナツメ、愛しているんだ…」
どれだけ言葉にしても表せない、溢れる気持ち。
毎日毎日、継ぎ足されていくこの気持ち。
どうすれば伝えられるだろうか。
「私もよ、アーデス」
「愛している。…愛している」
「私も、アーデスを愛しているわ」
「ずっと、私の傍にいてくれ…」
「……えぇ、えぇっ。もちろんよ、アーデス」
抱きしめ合い、熱を交わし合い、微笑み合い、生きていこう。
私たちは愛し合っているのだから。
>ここに、永久を誓う。
…それで、大丈夫なの?
あぁ…。悪い、夢だ
私はどこへ行ったりもしないわ
…ああ
前に行ったロンドンだってとても楽しかったし、バスも面白かったけれど
…ナツメ?
あなたと一生、生きていくって決めたの
……あぁ
あなたが砂漠の民であるなら、私も。あなたがロンドンへ行くというのなら、私も。
どこへ行っても、もちろん、隣には私がいるんでしょう?
もちろんだ。…ナツメ以外が私の隣に立つことはないよ
誓って、くれる?
もちろん、神と精霊と民に誓おう
…私にも誓ってくれる?
ああ。…愛している
私も、愛しているわ
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