どマイナー夢
□再会
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再会
シドさんもリディさんも訪ねてこないまま、一週間が終わった。
その一週間、私は寂しくてたまらなかった。
たまたま帰り道で見かけたシドさん。
そのシドさんの綺麗さに心と目を奪われた。
ずっと遠くから見つめ続けて、心躍らせていた。
なのに何の偶然なのか、運命なのか。
私とシドさんは知り合って、触れ合って、名前を知った。
母と友人しか呼ぶことの無かった名前をシドさんが呼ぶ。
その優しさと柔らかさと甘さ。
耳から直接心に語りかけてくる、何よりも煌めいた声。
「…シド、さん」
「はぁ〜い?」
「……っ!!!」
私の独り言に、あの甘くて煌めいた声が返ってきた。
耳元の声は真っ直ぐに心臓を射抜く。
あぁ、死んでしまいそうだ。
「ーっと、悪い悪い」
平然とシドさんはひっくり返りそうになった私を支えた。
逆さまに見上げると、少し楽しそうなシドさんの顔。