どマイナー夢
□確かめたい
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「棗ちゃん」
「は、い…」
「調子悪い?」
「え、全然。…ヘンでした?」
「…いや、大丈夫ならいいけど」
気を遣ってくれるやさしい人。
ありがとう、牧さん。
…でも 気を遣ってくれなくていい、から
「…さわりたい」
「は?」
「ぇ ?」
「え、…なに」
「………なんか、言ってました?」
「…聞こえなかったけど、なんか言ってた」
しまった。欲求が口からこぼれた。
…本気で欲求不満みたいじゃないか。
「すみません…」
「いや、…棗ちゃん」
「手ェ、…さわってもいいですか」
一応断って(許可はもらってないけれど)、触れる。
てのひらはすごく大きくて、指も太くて、骨張っていて。
指に触れて、触って、指の股に流れて、てのひらへ。
硬い皮膚が私の指を擦る。
手首の血管が脈打って、小さく鼓動している。
これが、この人のー牧さんのー