アイシールド21夢

□視線が追う
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クリスマスボウルへの道が開けた数日後、泥門高校にオールスターメンバーが集結した。
ヒル魔が回した契約書にのっとりマンツーマンコーチ軍がやってきたのだ。
そうそうたるメンバーに戸惑いつつも、泥門デビルバッツは練習を始めた。
メンバーが倍になったことでマネージャーは幾分か忙しさを増したが、良い流れに回っていることに喜びを感じていた。

休憩になり、慌ただしくまもりと棗が走り回る。
タオルやドリンクを手渡し、何か違和感があるかを聞き、怪我の手当をする。
忙しそうに動き回る棗の姿を、一休やキッド、桜庭や高見が目で追っているが彼女は気が付いていないらしい。
時たまセグウェイで動き回るヒル魔を必死に追いかけ、チームメイトに笑いかける。
メンバーはその柔らかな笑顔を見つめながら、練習をこなしていった。


「なーなー、棗ちゃん!冷却スプレーもらってもいい?」


水町が棗に声を掛けると、棗は大きく頷いて走り寄ってくる。
ベンチの上にテーピングも冷却スプレーもタオルも出されているのだが、棗はわざわざそれを手に水町に近づいた。
そして処置をして、緩んだテーピングを直していく。
手早い作業に水町は目を丸め、そしてにっこりと笑った。


「サンキューな、棗っ」


棗は呼び捨てられたことに、少しだけ羞恥に頬を赤くしたが嬉しそうに頷く。
キラキラと煌めく笑顔に嬉しくなって、水町は彼女の髪をかき回した。


「ンハッ!棗ってばカワイーッ!なーなー、筧。可愛いよなっ」


突然話を振られた筧は、照れながらも頷く。
棗がそれにキョトンとした表情を見せればまた水町が可愛いと騒ぎ出す。
棗はその騒ぎに戸惑ったが、番場のテーピングに気が付いてその場を後にすた。
そのため、水町が棗を欲しがったことで3兄弟と喧嘩になったことを、彼女は知らなかった。

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