アイシールド21夢
□防護壁
1ページ/3ページ
<まもりさんの髪って、すごくキレイですね>
あと数日で秋大会が始まるその日の昼休み。
ヒル魔くんと私と棗ちゃんは部室に集まって作戦や最後の調整メニューを考えたりしていた。
そうかしら?と首を傾げると、勢いよく頷きが帰ってきた。
可愛らしい笑顔が眩しい。
<もしかしてダブルとかですか?>
「…ダブル?」
言葉に聞き覚えが無くて聞き返すと、棗ちゃんは少しキョトンとした。
少し考えてから納得がいったようにボードに書き始める。
<ハーフですか?>
「ああ、ダブルってそういう意味で言ったのね。
クォーターなの。アメリカの血が入ってるんですって」
<そうなんですか。すっごくキレイですよね。太陽に透けてキラキラして。
あ、ヒル魔さんの髪もキラキラしてますよね>
「ふふっありがとう。でも棗ちゃんの髪も綺麗よ、天使の輪ができてるもの」
ヒル魔くんはパソコンに向かっていたから、私たちの会話には気がついていないようだった。
なんだか久しぶりに女の子らしい内緒話をした気がして、笑みがもれる。
棗ちゃんは話せないけれど、表情が一瞬一瞬変わる。
柔らかい空気を纏っていて、彼女が文字を書くのを待つ間もその優しさに気持ちが穏やかになる。
無垢で純粋な棗ちゃんが笑っているのが、嬉しい。
…まだ出逢ってからそんなに経っていないのに、彼女の笑顔が嬉しくてたまらない。