アイシールド21夢

□淡く色付いた心たち
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飛行場に着いたオールスターメンバーは手続きを済ませて搭乗開始を待っていた。
武蔵と一緒に飛行場に着いた棗はメンバーと話すためにボードを取り出した。
するとそれにつられてなにかが落ちたような小さな音がした。
落ちたそれを、一番近くにいたキッドが拾う。


「沫咲さん、これ落としたよ」


キッドが手渡したのはリングに通されたカギだった。
ただ鈍い銀色が光るだけで、シンプルといえば聞こえは良いが味気ない。
キッドや武蔵のような男が持っていれば違和感はないだろうが、棗のような女子が持っているだけでこうも印象が変わる。


<すみません、キッドさん。ありがとうございます>

「家のカギかな?なくすと大変だから、気をつけたほうが良いよ」

<はい。今度キーホルダーでも付けます。気づかないと大変ですから>


その言葉にキッドや周囲も頷いて、アメリカで何か買えばいいと盛り上がり始める。
今まで敵だったメンバーたちがまとまり始めている。
それは全員がアメフトを楽しんでいることや、個々のメンバーが認め合っているということもあるが、棗のおかげでもあるだろう。
彼女の分け隔て無い笑顔とサポートが、純粋にアメフトを楽しむ楽しさを思い出させてくれるのだ。
棗が中心で広がり始めた話題に乗り遅れまいと、桜庭や山伏たちも口を開く。
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