アイシールド21夢

□すべてを変える
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ヒル魔とのポーカーを終えたクリフォードは、腸の煮えくりがおさまらないままカジノを出た。
年下であり明日の対戦相手でもあるヒル魔に泥を付けられたことへの苛立ちは、握り込まれた拳と鋭い瞳に現れている。
舌を打ったクリフォードは、ゲームの途中だったドンを待つためパンサー、バッドと共にソファに身を沈めようとした。
そのとき、視界の端にその場に全く似つかわしくない黒髪のジュニアが居ることに気がついた。
艶めく黒髪と大きな瞳。
小さく細い身体とほりの浅い顔。
ベンチで動き回る姿が特徴的だった、小さな女。


「チームジャパン」

「え?なに?」

「またさっきの男がいるのか?」


クリフォードの呟きにパンサー、バッドが反応を返すがクリフォードは全く気にせず足を進める。
カツカツと高い足音を鳴らすとその音に棗が振り返った。
クリフォードはやはりチームジャパンのマネージャーだと確信して、棗の前に立った。
肩にかけられたコートのせいで体格が大きく見えるが、棗は目の前に立つ男が明日の決勝戦の相手だということに気がついた。
選手でもない自分のことを知っていることに驚きつつも、棗はそのまま彼を見上げていた。
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