アイシールド21夢

□風の優しさ
1ページ/4ページ

泥門も西部もトーナメントに勝ち上がり、準決勝で戦うことが決まった。
そんな中、なぜか監督に駆り出されて陸と一緒に泥門の体育祭を見に行くことになった。
監督は"偵察"を目的にしているらしいが、意味がないような気がしてならない。
とりあえずついてきただけ、というスタンスは崩さぬまま、観戦。
すると見慣れたアメフト部員の中に、見かけない小さな女の子がいた。
いや、女の子というのは失礼だ。
けれど女子、というにはあまりに純粋そうな、そんな子がいた。

1、2年で行うフォークダンスにいるということは同い年か1つ下。
けれどそう見えないのは背のこともあるだろうけれど、纏っている雰囲気のせいだろう。
温かで、染みいるような柔らかさと、心も身体も預けられるような陽だまりの様な優しさ。
遠目から見ても感じ取れると言うことは、きっとそうなんだろう。
特に空気を読むことが特技っていうわけでもないけれど、なんとなくわかる。
白組にいるヒル魔氏やどう考えてもおかしな行動を取っていうる男女にオロオロして。
時々誰かの隣にぴったり寄り添っているところを見るのが変な感じだけど、その笑いは柔らかく。
女性の笑顔を花にたとえるのはよくあるけれど、彼女の笑みは、人を柔らかく包む風のようで。
綺麗で美しいと心奪われるというよりも、心に温かで柔らかな火を灯すような、そんな笑顔。
その笑顔に見とれている間に、時間は過ぎていて、陸は二人三脚リレーに出場していた。


***
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ