□近づき始めた
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昼休みに担任に職員室に呼ばれていた男子生徒は、驚きの情報を持って飛んで帰ってきた。
興奮冷めやらぬその表情にクラスメイトたちは戸惑いながらも、その第一声を待つ。


「なぁ、聞いたか?!全国常連のテニス部が今週の土曜にこの学校に来るって!」

「え、なにそれ?!知らないっ、どこどこっ?」

「なんと、あの王者立海だって!」

「え、立海って…立海大付属の立海?!」

「あったりまえじゃん!」


有名な私立中の名前が出た途端、クラス中は沸きに沸いた。
同じ神奈川の超有名校であり、様々な部活で優秀な成績を残す立海は憧れの的なのである。
そんな中立海テニス部の名を聞いて飛び上がったのはある女子生徒たちだった。
彼女たちはそのクラスの中でもスカートが短いことや、派手であることなどが特に目立つ、いわゆるギャル系の女子である。
手に手を取って喜び合う理由がわからず、棗と友人は近くの男子にその意味を尋ねる。
サッカー部のレギュラーである彼はテニス部のことをよく知っているらしく、簡単に言えば格好いいんだよ、と一言で理由を片付けてしまった。
棗と友人はその言葉で納得して、ため息に近い納得の声を上げる。
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