COWBOY BEBOP夢(完結)

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衣装作り名人



こちらもハロウィンが近いらしい。
ヴィンセントが買ってきたご飯がハロウィンパッケージになってたからわかったこと。


「ねぇ、ヴィンセント。この時代でもお菓子ってもらえるの?」


ハロウィンパッケージをヒラヒラと振る。
ヴィンセントはチラリと見て、黙った。

あ、聞いちゃいけないことだった。

そう思って、でも謝れなくて(そんなことしたら彼を傷つけるだけだ)
沈黙が降りた部屋で、ヴィンセントを見られずにご飯を食べた。


「ナツメ」


いきなり呼ばれて私はむせた。
名前を呼ばれるなんて、今まで無かったことだったから。


ごほっ  ケホッ っく、ごほ、っ


気管に入った所為なのかそれはまったく止まなくて
ヴィンセントはそれをじっと見つめていた。
背中をさするでもなく、側に来るでもなく、ソファから私をじっと見ていた。


「外に出る。…準備しろ」

「…え、ぇ、…え!」


その言葉に驚いて、私は目が落ちるんじゃないかと思う位見開いた。
その顔はかなり間抜けだと思う。
でもヴィンセントはその顔を普通に見てて、そしてソファを立つ。
食べ終わったご飯のトレーをゴミ袋に入れて、席を立つ。

ヴィンセントにとっては10歩もあれば出られる部屋。
その部屋を小走りで走って、私は初めて外に出た。


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