COWBOY BEBOP夢(完結)

□23
1ページ/2ページ

溢れんばかりの菓子かご






自分のくしゃみで目が覚めた。
頭が全然働かなくて、ぼーっと視線を彷徨わせる。
するとお姉さんが私のことを見ていた。
すごく、見ていた。


「…ねぇ、ちょっと」

「あ、…はい」

「あんた、なんであんなのといるの?」


お姉さんはヴィンセントをあんなの、と呼んだ。
そりゃぁ、ヴィンセントは人を殺してるみたいだし、悪いこともしてるみたい。
それにお姉さんを人質に取ってるし、何がしたいのかもよくわからない。

でも。
…でも。


「あんなの、なんて呼ばないで」

「は?」

「ヴィンセントをあんなのなんて、呼ばないで!」


いきなりこの世界にオトされた私は、不安だけが心を支配してた。
でもヴィンセントは、私を助けてくれた。
何者かもわからない私を、抱きしめてくれた。
愛してくれた。
この半月近くで、溢れてしまいそうな位の愛と幸せをくれた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ