COWBOY BEBOP夢(完結)
□大好き
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「ナツメ」
「ん?どしたの、ヴィンセント」
「…ナツメ」
「はぁい、ヴィンセント」
「……ナツメ」
「ヴィンセント、、、?」
何度も呼ばれる名前が心地いい。
けれど不安そうに揺れる瞳が、苦しそうで。
「…ヴィンセント」
大丈夫、なんて言葉は掛けるだけ無駄。
だって、夢の中でも 人は話す。
夢の中でも、 人は生きている。
ヴィンセントの低い体温が目の前にあって、
私の少し高めの体温があって。
「 ヴィンセント 」
抱きしめて、髪を梳いて、背中を撫でて。
ゆっくりと回ってくる腕を背中に感じて。
生まれたての子どものように、愛を知らないだけだから。
どうやって甘えていいのかを、知らないだけだから。
人に頼って良いと言うことを、知らないだけだから。
好き、大好き、愛してる、傍にいて、傍にいたい、
夢じゃないよ、もっと甘えてよ、もっと頼ってよ、
(もっと、名前を呼んで)
全部全部、気持ちを込めて、強く強く抱きしめる。
あなたと私は、ちゃんと此処にいるよ
「ねぇ、ヴィンセント」
大 好 き
>ヴィンセントが大好きよ