素敵小説

□赤ずきんの牙
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「俺、土方さんのことが好きなんでさァ」
「……お前、今日は一体なにを仕出かしたんだコラ。怒らねえから言ってみろ」


自室で書類の整理をしていると、総悟の野郎がいきなり入ってきた。
何の用かと思えば、奴の開口一番はそれだった。俺は頭が痛くなるのを感じたながらも、なんとか煙草で誤魔化した。




「別に何もしてねえですぜ。土方さん、俺ァ本気であんたのことが好きなんです」
「あーはいはい。何もしてねえんならただの冗談として受け取ってやるよ。だから隊務にもど…」





れ、と言いたかったのに言えなかった。
何故ならいつの間にか総悟が俺の真後ろに立っていて、それに気づくのが遅かった俺は逃げることも出来ず抱きすくめられてしまったからだ。


「てめ!そう、ごっ」
「小さい頃からずっと、ずっと、土方さんだけを見てきたんですぜ…?」



総悟の腕がより一層ぎゅうっとキツく俺の体を抱きしめ、あの低く甘い声で、わざと耳元に囁きかけてくる。


「いつだってこんな風に土方さんを抱きしめたいって思ってた」
「や、やめろ。総悟…やだ……」
「好きです、土方さん」



さらさらと優しく髪を撫でる総悟の手つきに胸が締め付けられた。
きっとこんなの総悟のいつもの悪戯に決まってる。頭ではそう理解しているのに体が言うことをきかない。
総悟の腕を振り解きたくても振り解けない。

そんな苦しさに涙が出そうになる。

暫く黙り込んでいると総悟は俺の体を半回転させ、俺と総悟、向かい合う形にさせた。




「土方さん、あんたは俺のことどう思っていやすか…?」
「……俺は、」






総悟の、真剣なその瞳にそのまま溶けてしまいたかった、

消えてなくなってしまいたかった、

でも、総悟の気持ちを無碍にはしたくなかった、



俺は赤くなる顔を腕で拭って、ぽつりと呟いた。






「…俺も総悟が好き、なの、かもしれねえ……」









赤ずきんの牙









「嬉しいでさァ…土方さん」



(旦那にとられるくらいなら、)
(自分のモノにしたほうがずっとマシ)







相互記念ということで書かせてもらった初沖土!
そう、初沖土なんです…。
だから、だから、似非なのは許してくださいませ!!←

でも総悟に流される土方は書いてて楽しかった(^ω^)←
こんな沖土ですがれんげさまに捧げます\(^0^)/





わぁぁあ!!ありがとうございます!!!
沖土、いいですねぇ・・・^^
相変わらず、あお様の小説はとても素敵で・・・大好きです!!(告白)
素敵小説、ありがとうございました!!
 

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